失敗しない自転車の選び方

失敗しない自転車の選び方 ハンドルのかたち

電動アシスト自転車のハンドル形状は大きく分けて2つのタイプがあります。

ひとつは、ショッピングモデルなどに多用されているセミアップハンドルです。
このハンドルの特徴は、ハンドルと身体の距離が比較的近い位置にあるので上体が起き、ゆったりとした無理のない自然な姿勢をとることができます。
またハンドル操作がしやすいため低速でのバランスがとりやすいのも特徴になります。
日常のお買物やお子さまの送り迎えに適したハンドル形状になります。

もうひとつが、通勤通学モデルなどに多用されているオールラウンダーハンドルです。
このハンドルの特徴は、形状が直線的なため腕が伸びわずかに前傾姿勢となります。
これは坂道を上るときなどに力を入れやすい姿勢になります。
通勤通学など長距離を利用する方に適したハンドル形状になります。

主に利用する場所や目的によって選ぶのが失敗しないハンドルの選び方です。

失敗しない自転車の選び方 タイヤの大きさ

電動アシスト自転車のタイヤのサイズは16インチから27インチまであります。
機種によってそのタイヤサイズは決まっています。

タイヤサイズの違いによる特徴は2つです。
ひとつはタイヤサイズの大小によりサドルの高さ(最高と最低値)が変わってきます。
カタログに記載してある適応身長の目安がこれにつながっていますが、適応身長とは両足のつま先が着く高さですので、自転車に不慣れな方は踵が着くプラス15㎝を目安にしてください。

もうひとつがタイヤサイズの大小によりジャイロモーメントの大きさが変わってきます。
タイヤサイズが大きいほど直進安定性が増し、小さいほど旋回性能が増すことになります。
また直進安定性は軸間距離(前と後タイヤの距離)の長さにも関係してきます。
20インチの子乗せモデルは直進安定性を増すため、他の小径車と比較して軸間距離を長く とる設計となっています。

長距離を利用する方は、タイヤサイズが大きいタイプの自転車がお勧めとなります。

失敗しない自転車の選び方 小径タイヤ(20インチ)タイプ別の特徴

同じ20インチの小径モデルでも大きく分けて3つのタイプがあります。

ひとつは、スポーツ・ファッションモデルです。
このモデルの特徴は、コンパクトかつスタイリッシュでファッション性を重視したつくりになっています。
ハンドルはオールラウンダーハンドルを装着し、乗車姿勢はわずかに前傾したかたちになります。

そしてひとつは、子乗せモデルです。
このモデルの特徴は、子ども二人乗せを前提として作られており、チャイルドシートの標準装備と子どもの乗せ下ろしの安定感や操安性を高めたつくりになっています。
二人乗せに対応し、アシスト力は最高レベルを発揮、フレーム剛性と駆動部品の耐久性を 高めた仕様となっています。その反面、車重はやや重くなりますが操作性を高めることで補っています。

そしてもうひとつは、シニアモデルです。
このモデルの特徴は、軽さと跨ぎやすさと漕ぎやすさに加えて電源スイッチのシンプル化です。
車重は26インチと比較して5~7㎏ほど軽く、跨ぎやすいフレーム形状により乗り降りがしやすく、ペダルのクランク長を見直すことで膝の上げ下げが少ない優しいつくりになっています。

主に利用する目的や利用する人は誰なのかによって選ぶのが、失敗しない自転車の選び方です。

失敗しない自転車の選び方 前子乗せモデルの特徴

前子乗せモデルの特徴は、
1.常にお子さまを見守りながら運転できるので安心感があること
2.チャイルドシート本体がステム(ハンドルの回転軸)の中心にあるので安定性が良いこと
3.チャイルドシートの高さが低い位置にあるのでお子さまの乗せ降ろしが楽なこと
4.ペダルを漕ぐ際のヒザ当たりに余裕があること になります。

前チャイルドシートの乗車可能な目安は、年齢で1歳以上4歳未満、体重が15㎏以下、身長が100㎝以下となっています。

荷物を載せる際には、オプションでリヤ(後)バスケットがあります。このリヤバスケットはお子さまが成長し後ろに乗せられるようになったら、前のチャイルドシートを外しバスケットを前に装着することができる前後共有タイプが用意されています。

お子さまを二人乗せる場合には、オプションでリア(後)チャイルドシートの装着が可能です。
但し、リアチャイルドシートを取り付けるとバスケットを同時に装着することはできなくなってしまいます。

失敗しない自転車の選び方 後ろ子乗せモデルの特徴

後ろ子乗せモデルの特徴は、1.チャイルドシートを長期間利用できること、2.チャイルドシートの座面が低い位置にあるのでお子さまの乗せ降ろしが楽なこと、3.前チャイルドシートを装着した場合でもフロントバスケットが利用できることです。

前チャイルドシートの乗車可能な目安は、年齢で1歳(推奨は2歳)以上未就学児まで、体重が22㎏以下、身長が115㎝以下となっています。

お子さまを二人乗せる場合には、オプションでフロント(前)チャイルドシートの装着が可能です。
但し、取り付けはハンドルに掛けるタイプになりますので、ハンドルのバランスが変わってくること、チャイルドシートへのヒザ当たりがあることを知っておく必要があります。

後ろ子乗せモデルには、20、24、26インチの3つのタイプがあります。
小径タイヤは、シート高が低く低重心であること、小柄な方も足着きの心配が少ないこと、 お子様の乗せ降ろしも楽に行えることが特徴になります。
大きいタイヤは、直進安定性が良いこと、ポジションに余裕があり男性との共有も無理がないことなどになります。

失敗しない自転車の選び方 メーカー別 子乗せモデルの特徴

前子乗せモデルのメーカー別の特徴は、チャイルドシートの形状にそれぞれの違いがあります。
パナソニックはフルオープン形状、ブリヂストンはハーフカバー形状、ヤマハはフルカバー形状です。
フルオープン形状は前後左右どちらからでも乗せ降ろしが可能で、フルカバー形状はお子さまを包み込む安心感があり、ハーフカバー形状はそれぞれの良いところを取り入れています。

ドライブユニット(モーター)の搭載位置は、3メーカーともモーターが自転車の中心にあるセンタードライブ方式を採用しています。センタードライブ方式は、重心位置が車体の中央になるため車重バランスが良くハンドルの操作性も優れています。アシスト感は、アシストが働くと後から背中を押されているようなフィーリングになります。

アシストの出力曲線は、それぞれのメーカーによって味付けが異なっています。
パナソニックの発進は少し遅れてアシストが働き、ヤマハは滑らかにアシストが強まり、ブリヂストンはこれらの中間的なセッティングになっています。アシスト力の最大値は、踏力1に対して2倍までと法律で定められていますのでメーカーによる大きな違いはありません。
但し、発進、低速、中速、上り坂での出力曲線はそれぞれ異なった味付けになっていますのでまずは相談・試乗されることをおすすめいたします。

後ろ子乗せモデルは、メーカーによってドライブユニットに特徴があります。
パナソニックとヤマハはセンタードライブ方式を採用、ブリヂストンは前輪の中央部にモーターが搭載されるフロントドライブ方式を採用しています。この方式のアシスト感は、前から引っ張ってもらっているようなフィーリングになります。また回復充電機能もあるため標準モード以下での走行では従来よりも長距離を走行できるようになっています。
駐輪は、前にモーターがあるため前輪を持ち上げるような場所では不向きになります。

機能面においてはそれぞれ特徴がありますが、3メーカーであればどの機種を選んでも 失敗したと思うことはありません。最終的にご自身が必要な機能と好きなデザインとカラーで選べば大丈夫です。

失敗しない自転車の選び方 三輪自転車・四輪自転車の特徴

三輪自転車や四輪自動車は、二輪の自転車と比較してバランスの取り方やハンドル操作など乗車感覚が異なるため、慣れるための練習が必要になります。多くの方は二輪の感覚で乗車すると上手に乗ることが出来ません。
但し、三輪や四輪の動きに慣れるとともに安全に乗ることが出来るようになりますので安心してください。

三輪自動車は、前輪がひとつ後輪が二つのタイプで前輪とフレーム(車体)がスイング(左右に傾く)することで旋回性を高める構造になっています。これが幼児用の三輪車とは違う構造のひとつです。
幼児用の三輪車は、止まった状態でも倒れませんが、三輪自転車が停止する場合は、 二輪の自転車と同じように足で支るようになります。
三輪自転車は、人が乗車していない状態では自立しますが、乗車した状態では二輪同様、走行していないとバランスを崩してしまいます。
利用方法のひとつとして、スイングしないように付属の固定金具を装着する方法もあります。
この仕様にするとペダルに両足を掛けた状態で停止しても倒れることはありません。
足の上げ下げが困難な方やバランスが取れる速度に達しない方など、慣れるまでの練習用として仕様を変更することが可能です。

尚、国内3メーカー以外の電動三輪自転車も流通していますが、バッテリーの仕様や容量が異なること、アシスト制御が異なることなどがありますので、十分ご確認をお願いします。

四輪の電動アシスト自転車には共栄製作所が製造している「けんきゃくん」があります。
このモデルの特徴は停止時に足を着かなくても良いことです。四つのタイヤで支えていますので信号待ちなど足をペダルに乗せた状態で停止することが出来ます。
また低速でもバランスを崩すことがないので、ゆっくりとした発進、走行を行うことが可能です。
一方で二輪車と比較すると曲がりにくい構造となりますが、後輪にデファレンシャルギヤ (自動車と同じ仕組み)を装備することで小回りが利く仕様となっています。

四輪も三輪同様、乗車感覚が異なりますので慣れるまでの練習が必要になります。

尚、けんきゃくんの現行モデルの販売は終了していますので、新型モデルの発売を予定している2022年秋頃までお待ちいただくようになります。

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